サファヴィー朝期以後のイラン建築このページの一番下へ
ドウラト・アーバード庭園
年代不明(18世紀半ば)、ヤズド
写真512 ヤズドで一番高いバードギール
写真506 美しいアーチネットの装飾
写真524 複合的で繊細な印象を与えるムカルナスヤズドで一番高いと言われるバードギールは18世紀半ばに造られた。建物内には、空気の対流を作り出すための泉が随所にある。バードギールと泉を使って涼む。暑いヤズドならではの生活の知恵に満ちた場所だと思った。外から見ると一見地味だが、内部はステンドグラスが随所に見られたり、美しい天井の装飾が見られたりと、建築意匠的にも優れたものである。
サアダーバード宮殿博物館
20世紀、テヘラン
写真1491 応接間
写真1493 王の寝室サアダーバード宮殿博物館は、単独の建物ではなく、複数の建物と庭園からなる巨大な博物館。
イランの古い高級な建築では必ずというほど鏡を張り詰めて壁を飾っているが、ここはそのうちでも最も徹底していたところの一つ。応接間とシャーの寝室が全面鏡張りだった。こんなところで応接されても落ち着かないし、寝室も寝心地が良いとは思えないのだけれど…。
生活の場というよりむしろ客人にシャーの権勢を示すための建築である気がした。そして、ある意味、こうした形で権勢を誇示しようとするところにパフラヴィー朝の時代のイランの衰退ぶりが見えるような気もした。(パフラヴィー朝時代は経済的には最近150年間で見れば繁栄していた時期にあたるが、サファヴィー朝以前との比較で考えると中核的な位置から半周辺化したことは否めない。)
エマームザーデイェ・マフルーグ
年代不明、ネイシャーブール
写真335 イーワーン
写真337 庭園の中にある廟第7代エマーム・ムーサー・カーゼムの子孫と言われる、モハンマド・マフルーグ・ベン・エブラーヒームの墓。これも年代不明だが、完全にタイルを敷き詰めてある点から、現在の建物はサファヴィー朝期以前のものではありえないと考える。
オマル・ハイヤーム廟と同じ敷地内にある。
シェイフ・アッタール廟
年代不明、ネイシャーブール
写真352 典型的な墓建築のスタイル典型的な墓建築。年代は不明だが、少なくともこれほどのタイル装飾がティムール朝期以前にさかのぼることは考えられず、ドームのふくらみ方なども考慮すると、サファヴィー朝期かそれ以降のものであると私には思われる。美しい庭園の中にあるシンプルな建築。
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サファヴィー朝期のイランのイスラーム建築3
まだまだ健在! イランの現代建築