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ゾロアスター教関係の観光地
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イランといえば現在はイスラームのシーア派が国教だが、シーア派が優勢になったのはサファヴィー朝期以降のこと。それ以前はスンニ派のイスラームが主流で、イスラーム化以前はゾロアスター教が盛んだった。そこには、イスラームがゆっくりと浸透していく中で、ゾロアスター教徒の共同体は徐々に縮小させられてきたという経緯がある。現在、ゾロアスター教徒が比較的多く集住している街の一つがヤズド。ヤズドはそれらが大きな見どころになっている。ここではヤズドとエスファハーンで見てきたゾロアスター教関係の施設の観光について簡単に記録してみた。

497 ゾロアスター教寺院(アーテシュキャデ)
写真497 ゾロアスター教寺院(アーテシュキャデ)

ヤズドには複数のゾロアスター教寺院があるらしいが、観光可能な寺院は限られている。ここは旧市街の中心と思われるバーザールから2キロほど離れたところにある。歩くには少しだけ遠く、タクシーに乗るのは微妙という距離。

門を入るとすぐ中庭になっていて、建物が見える。写真497はその中庭から寺院を撮影したもの。「アーテシュキャデ」とは「火の家」という意味らしく、中には1500年以上消えたことがないとされる聖火がある。(ゾロアスター教は火を聖なるものとして崇拝する。)

しかし、苦労して(?)行く割には5分くらいで見終わってしまうくらいのものしかなく(見学可能な部屋は一室しかない)、内容的にも特に面白いわけでもなく、建物も真新しくて感銘を受けるようなものでもないので、観光する場合は、時間が余っているか、よほど興味がある人でなければ行かなくてもいいのではないかと思う。

右はヤズドの最大の観光名所「沈黙の塔」。といっても、人でごった返しているということはない。市街地からは少し離れているのでタクシーをチャーターして行くのが一般的。ゾロアスター教ではかつて鳥葬が行われていた。この塔の中に死体を置いて鳥に食べさせていたのである。パフラヴィー朝(現在のイラン政府の前の王朝)の時代に禁止されたため、現在は使用されていない。実際に見てみた感想としては思ったより小さいというか、穴が浅いという印象。

また、ヤズドが沙漠地帯のど真ん中のオアシスだということが実感できる場所でもあり、行く価値がある。そして、「オアシス」というと小さな街をイメージする人が多いと思うが、そうしたイメージは誤解にすぎないことも実感できる。

なお、この「沈黙の塔」は、一般に現地では「ダフメ」と言われている。ダフメイェ・ザルトシュティヤーン(ゾロアスター教徒の墓場)を略して「墓」と言っているらしい。

ダフメ(沈黙の塔)
写真487 沈黙の塔(ダフメ)

チャク・チャク
写真546 チャク・チャク

沙漠の険しい山の中腹に滞在用の施設と共にある。

チャク・チャクから見た沙漠
写真551 チャク・チャクから見た沙漠

チャク・チャクはヤズドから80キロほど離れた沙漠のど真ん中にあるゾロアスター教の聖地。全く草木のない沙漠地帯を通っていくのだが、これは日本では決して見られないので新鮮。イランの人にすれば、沙漠など面白くもなんともないネガティブなイメージで捉えられているが、日本人旅行者にしてみるとこうしたところの方が「イランに来た!」と実感できるところ。タクシーをチャーターしなければとても行けないし、やや値もはる(私の場合で、だいたい13ドルくらい払った)が、時間があれば行ってみる価値はある観光地だといえる。

エスファハーンの中心部から西へ9キロほどのところにあるササン朝時代に創建されたゾロアスター教の神殿。小高い丘の上にあるが、チャク・チャクと言い、ダフメと言い、ゾロアスター教の施設が山の上に多いのはなぜなのか?ちょっとした疑問を持った。

神殿の跡自体はそれほど感銘を受けるようなものでもなかったが、エスファハーンの街の広がりが見れたり、また、丘を登っていくこと自体が結構面白かったりする。日本ではこんな丘に登るのは危険だと言って観光させてくれない(というか、もっと安全に登れるように道などが加工されてしまう)だろう。

個人的には「行っても行かなくてもいいや」程度に思っていたのだが、現地の人に面白いと薦められて行ってみた。サファヴィー朝時代の基本的な観光名所(エマーム広場とマスジェデ・ジャーメとバーザールは最小限見るべきで、その近くの宮殿あたりまで)を見終えたら行ってみるだけの価値はあるところだと思う。

アーテシュガー
写真1222 アーテシュガー



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イラン建築のタイルについて
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